「人を操る禁断の文章術」 DaiGo 著 を読んで
まるでベテランカメラマンが新米モデルのポージングを指導しているようだ。
「もっと顎を引いて」
「もっと上目遣いで」
読者を魅了する一枚を撮るために。
もちろんこの場合、ベテランカメラマンがDaiGoさんで、新米モデルが私です。
この本は常に読み手の目線で「こう書けばわかり易く相手に伝わりますよ」ということを簡潔明瞭な文章で教えてくれます。
読み手の心理を先まわりしていかに感動を伝えるか。まさにメンタリストの文章術ですね。
文章論というのは、難解な学術的な知見で語られることがまれにありますが、本書にはそういった要素は一切ありません。
さて、題名にもなっている人を操る文章とは以下のようなフローを指しています。
読む→言葉に反応する→想像する→行動を起こす
全編に渡って読み手が行動を起こしたくなるような文章の書き方を指南してくれるのですが、心に留まった内容を少しだけ。
✴︎文章とは、読まれるために書くものではない。行動させるために書くものだ。
✴︎刺さる言葉は自分の中ではなく相手の心の中にある。常に語りかける相手を想像して文章を書きましょう。
✴︎きれいな文章では、人は動かせない。読み手の感情と想像力を刺激しよう。人を動かすのは、論理ではなく感情。
具体的にどうやって書けば良いの?という疑問に答えてくれるテクニックもたくさん教えてくれます。
✴︎書き出しはポジティブに
✴︎なんども繰り返す
✴︎話しかけるように書く
✴︎上げて、下げて、また上げる
✴︎追伸をつける
全て具体的な例文を挙げて良い例と悪い例とを比較しながらテクニックの効用を明示してくれます。
最近はテレビ界から抜け出してすっかりYouTubeの住人となったDaiGoさん。世界の歪みや、業界の悪習などについても語られていますね。きっと正義感の強い、優しい人なのでしょう。語られる内容については賛否両論あると思いますが、物事を人に伝えるためのロジックの組立て、表現の方法(文章であれ喋りであれ)は天下一品だと思います。
今読んでいるのも文章の書き方についての本ですが、文章についてはこの本で一区切りとして、次はコーヒーについて学んでいければと思っています。