ミレニアル世代の憂鬱、そしてその先へ。
私たちミレニアル世代(今の30代くらい)の若者が抱いている人生観とはどのようなものでしょうか?
急速な時代の変化の中で、大学を卒業し就職すれば老後の暮らしまで国が保証してくれるという従来型の人生のロールモデルは崩壊しつつあります。
私たちの世代は、幸せとは何か?人生とは何か?という問いに正面から向き合い、人生観、仕事観というものを再構築しなければなりません。
なぜこのような思いを持つようになったのかという理由は、私たちの世代がどのような時代を生きてきたかを振り返ることで説明できると思っています。
【私たちが育ってきた時代】
私たちが過ごした幼少時代はバブルが弾けてこれまでの常識が大きく崩れ去っていくという時代でした。右肩上がりの日本経済は長く暗い停滞期に入っていきます。大企業が破綻し、正社員で働いていれば一生安心という時代は終わりを告げます。物心つく頃から世の中は不景気一色だったのです。
そして私たちが働くということを意識し始めた大学時代はデフレの真っ只中でリーマンショックという大きな経済危機に見舞われたタイミングでもありました。非常に厳しい就活を経て(結果的に私が就職活動をした年は過去最低の就職率でした)私もなんとか今の会社へ就職することができました。
就職するとすぐに東日本大震災が起きます。津波が何もかもを奪い去り、絶対安全と信じられていた原発が爆発しました。私の価値観は大きく揺さぶられることになります。目の前の幸せにもっと目を向けるべきだ。小さな幸せを大切にしていこうと。
私たちは親から「できるだけ偏差値の高い大学へ行ってそれなりの会社に就職しなさい。そうすれば安定した暮らしが待っているよ」と言われて育ってきました。親からは言われなかったとしても世間の価値観というのは間違いなくそういったものでした。
紆余曲折はありましたが、私もそのお決まりのコースを歩んでいます。この選択が間違っていたとは思っていません。関西の有名大学に受かり、今の会社で働けていることに幸せを感じています。このような人生に導いてくれた両親にも感謝をしています。しかし、これから先の時代はどうでしょうか?ひとつの会社に身を委ねて生きていって良いのでしょうか?
【これからの日本社会】
昨年、トヨタの社長が終身雇用を維持することはできないと言い放ちましたね。従来のロールモデルが限界を迎えているのは明らかです。実感として感じることもたくさんあります。既に親の世代より稼ぐのが難しいというのは多くの同世代が感じていることと思います。社会保険料は年々上昇を続け、年金の受給開始が65歳になり、その額も減少しています。消費税は気がつけば10%になりました。
現代の日本社会が抱えるこの様な構造的問題は改善されるのでしょうか?答えはNoです。少子高齢化の波は留まることを知りません。それでも私たちが老後といわれる時代まではなんとか今の制度の恩恵を受けることはできるかもしれません。でも私たちの子供の世代はどうでしょうか?大学を出て企業に勤めて定年まで働くというスタンダードは完全になくなっているでしょう。会社に就職するにしても、個人事業を立ち上げるにしても今よりずっと自分の足で歩む力が必要になります。
そして今、コロナウイルスの蔓延という危機に直面しています。
毎日当たり前の様に勤めていた会社から、明日から来なくていいよと言われたり、会社自体が潰れてしまったりということが次々と目の前で起きています。
明日は我が身です。これまでぼんやりと考えていたことを今こそ実行に移すべき時です。会社からもっと必要とされる人間にならないといけないし、副業などを始めて倒産リスクにも備えなければなりません。そんなわけでこの自粛期間を利用して新たに自家焙煎コーヒー豆の販売準備を進めているという訳です。
このチャレンジはお金儲けのためにするものではありません。価値観を共有する人たちへ収益を全額投資し、お金を回していくという考え方を大切にしていきます。これからの社会で求められるものは個人の信用であり、実行力です。
自分のために、家族のために、明るい日本の未来のために、小さなことから挑戦していきたいと思います。